アートディレクターや
グラフィックデザイナーとして
目覚ましい活躍をされている
日本を代表するクリエイターの一人、
佐藤可士和さんが、何かの動画で
「私は目が良過ぎて困ることがあります」と
おっしゃっていました。
同氏はとても整理整頓好きで、
オフィスも塵ひとつなく、
無駄なものが一切置いてないことで有名で、
著書の「佐藤可士和の超整理術」のなかでも、
整理整頓というものを、
仕事のロジックに取り込み、
体系化させるまでに昇華している方で、
私なんかも結構参考にさせて頂いています。
その佐藤氏が、
目が良過ぎて困るというのは
どういうことなのかというと、
見えなくて良いものまで見えてしまう
ということらしいです。
季節柄、見てはいけない怖いものが
見えるということではなく、
普通の人が全く気にならないような
微妙なズレだとか、
隙間、傾きといったことが、
鮮明に見えてしまい、
過剰に気になってしまうという
ことのようです。
モノの色味の微妙な違いなども
かなりはっきり見えるのだそうですが、
デザイナーにはそういった素質は
かなり有利なのではないかと思います。
私は中学2年頃から、
勉強ではなく、バンドの譜面の見過ぎで
近視になってしまいましたが、
それまでは、両目とも1.5以上の
視力を保っていました。
子供の頃に見ていた世界って、
凄く鮮明で、色彩豊かで、潤いがあったな〜と
大人になってから、よく思い出すことが
あるのですが、やっぱり視力も
その一因だったのかもしれません。
高校入学時にメガネにして、
今に至っている訳ですが、
初めてメガネを付けた時はやはり
ハイレゾリューションに感激しましたね。
でも、メガネはレンズの収差とかもありますし、
あいだに1枚モノを介してしるわけで、
やはり裸眼には及びませんね。
お金持ちになったら、
レーシックをやってみようと思っています。
先ほども書いたように、
デザイナーには、そんな目の良さが
とても大切だと思っていて、
人があまり気づかないというか、
気にしないようなところまでデータを把握して、
そこから、足すところは足し、引くところは引き、
トータルで目的に合ったものに
案件を仕上げることができる訳ですね。
下手をすると、見え過ぎることで、
重箱の隅をつつくようなことになってしまい、
小事にこだわり過ぎて、
失敗することも考えられますが、
そこのところは、常に全体を俯瞰で見ることを
心がける必要があります。
将棋の羽生さんがよくおっしゃっている、
大局観というやつにも通じるかもしれません。
そして、こういった流れというのは、
デザインの仕事に限らず、
色々な分野の仕事に適用できることでも
あるような気がします。
プロとか専門家といった方々は、
1つの案件を処理するために得る、
情報のインプット量はハンパじゃなく
そのハイレゾリューションな情報をもとに、
ある意味「神の目」と「人の目」を
行ったり来たりしながら、
最適なランディングポイントを
見つけ出すことができるのだと思います。
今回は、感覚を鋭利にすることを
テーマに書いてきましたが、
最近は「鈍感力」というのも
良く耳にします。
今度、こちらもちょっと
調べてみたいと思います。